「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。」
- 鴨長明『方丈記』-
欧州より帰国してちょうど1週間が経ちましたので1ヶ月の出来事から感じたことをつらつらと。
文章の前後関係が急激に変わるため読みにくいですがご容赦ください。
自分の感覚が日本での生活に落ち着き始めたので、
この1週間は、社会人になる前の1ヶ月もの貴重な時間を使って
なぜ旅に出たのかを少し考えてみました。
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・卒業旅行
→時期としても表現としても一番しっくりくる。しかし、本心はそう思っていない。
・世界の美しい絵画や建造物を観るため
→旅に出た理由の一つ。ただこれだけではなにか惜しい。
・本場のフットボールを観るため
→旅の中で最もテンションを上げたのはここ。
私はそれを自覚しているし、この事象は確実に私の見識を広げた。
しかし、少し惜しい。
・小さい頃からやってみたかった
→もう一押し!
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で、結局なんだったかと申し上げますと。
『自分の精神・知識の弱さを補完し、自分をタフにさらに強くするための旅』
これが一番しっくりくる表現かなと思います。
(私は「自分探し」という単語が生理的に大嫌いなので、それとは一線を画してるつもりです)
今回の旅は一人旅(ここには非常に拘りました)。何もかもが自由。
でも裏を返せば、地理感も言葉も知らない異国で自分のアンテナをフル動員し生きていく必要があったわけです。
また特に留学でも無く学校組織とか何かに守られているわけではないので、
その場でひったくりや強盗に刺されて終わり。
旧市街の裏路地で10人くらいに囲まれてリンチに遭う。
という結末もあり得たわけです。
そこまでのリスクを払って、
親族の皆様に心配をかけてまでこの旅を行った理由は今の自分をさらに強くしさらにタフにするためであったかなと思います。
非常に危険な形の自己満足とも言えますね。
余談ですが、小さい頃に私が世界を観てみたいと思ったきっかけに、
『MASTERキートン』(浦沢直樹、葛飾北星、長崎尚志原作)
の存在があります。
主人公は日英ハーフの平賀=キートン・太一。
考古学の専門家。だが大学研究職にはなかなか就けず保険組合のオプ(調査員)をしながら大学を廻るという就職活動を行っています。7カ国語を操るマルチリンガルでバツイチ。
かつて学生結婚し離婚した数学者の元妻への未練を断ち切るためだけに、
SAS(イギリス陸軍)に入隊したという面白い男でもあります。
この作品は非常に欧州の描写が綺麗なのです。
現地の風俗や文化を的確に描いており(それはこの旅で確認)、
私はキートンになったつもりで旅をしていました。
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異国で観たもの感じたものについて。
まず、言語のお話。
この旅では英語ベースで物事を進めていたのですが、
「こんにちは」と「ありがとう」だけは現地語を使っていました。
私からのその国への礼儀として。
ドイツ・オーストリアでは「Guten tag.」「Danke.」
フランスでは「Bonjour.」「Merci.」
スペインでは「Hola!」「Gracias.」
イタリアでは「Buongiorno.」「Grazie.」
この2つを使うだけで相手は満面の笑顔になってくれます。
それが凄くうれしかった。
次に、はるかに日本より優れていると感じた点。
「生活」です。
欧州人は安息日である日曜日はしっかりと休み、度を越した労働はしません。
彼らに過労死という概念はほとんどありません。
決して経済大国ではないんだけど、
仕事よりも家族を大事にしている彼らの表情には日本人には無い満ち足りたものがありました。
夜は独りでぷらっとホテル近くのレストランやBARで食べていたのですが、
海外の人は家族や友人や恋人との会話を非常に大事にしているのが伺えました。
笑顔でワインと肉を食べながら3時間くらい談笑しているんです。
凄く、幸せそうに。
闇の部分。
そこらじゅうに乞食や物売りがいました。
必死に生きている姿。
きっと彼らの中にはなるべくして乞食になったものもいれば(そういうのには基本同情しない)、身なりからもともと地位はあったけどEUを覆う失業の波に巻き込まれたであろう方もいました。
世の中は決して平等じゃない、不公平なものだという私の感性はさらに強くなりました。
そして、非常に自分は恵まれているんだと再確認。
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この旅は私の中で非常に表層的であったと思いますが、
街を歩き、
教会に行き、
そこに暮らしている人の感性を感じ取り、
レストランでご飯を食べ、
フットボールを観て、
色んな物を学びました。
そして私自身予想を超えるスピードで海外の生活に適応できたので、
自分自身まだまだ強くなれるなと。
最後に、
多大なるご心配をおかけした家族・親族の皆様。
このような稚拙な内容のブログをずっと見て頂いた友人の皆様に感謝を申し上げて欧州紀行を修了いたします。
(※このブログは今後も継続します。)